安心して美味しいものを食べるためには、食品添加物の知識は必要不可欠です。
一緒に勉強していきましょう。
食品添加物とは
食品添加物は、保存料、甘味料、着色料、香料など、食品の製造過程または食品の加工・保存の目的で使用されるものです。
安く大量に作られた加工食品を長持ちさせたり、美味しいそうに見えるように色を着けたりするために、食品添加物は使われています。
食品添加物の分類
法律上、食品添加物は4種類に分けられます。
- 指定添加物
- 既存添加物
- 天然香料
- 一般飲食物添加物
・指定添加物 …簡単に言い表すと化学合成された添加物です。現在473品目あります。(令和4年9月現
・既存添加物 …簡単に言い表すと天然の添加物です。動物や植物、カビや細菌などから抽出したものです。現在357品目あります。(令和4年9月現在)ただし、カラメル色素などの化学的に合成されたものも含まれています。
・天然香料 …食品に香りをつけるために使われる天然の香料です。合成の香料は指定添加物に分類されます。
・一般飲食物添加物 …一般に飲食物として利用されているもので、添加物として使用するものです。果汁を着色の目的で使用する場合などがこれに当たります。
果糖ブドウ糖液糖はどの種類の添加物なの?
果糖ブドウ糖液糖は添加物ではなく、原料だよ。
マーガリンやショートニングも化学的に製造されているけど、食品添加物ではないんだよ。
国によって食品添加物の定義は違うんだ。
食品添加物の表示を読み解く方法
食品には使用している原材料や添加物を全て表示しなければならないと、法令で定められています。
しかし、その表示方法が多くあり、中には理解しにくいものもあります。
使われている食品添加物を見るポイントは3つです。
- 原材料と添加物は分けて書かれる
- 用途名併記はカッコ書き
- ひとまとめに一括表示もあり
1. 原材料と添加物は分けて書かれる
原材料と添加物は明確に分けて表示されています。その方法は2つです。
- 原材料名と添加物をそれぞれ事項名を設けて表示する
- 原材料名欄に原材料と添加物を区分して表示する
原材料名の表示は、原材料、添加物の使用している量の多い順に明記されています。
2. 用途名併記はカッコ書き
添加物の使用の目的と物質名を併記する場合があり、それを用途名併記と言います。
こちらを例にすると「酸化防止剤(ビタミンC)」が用途名併記にあたります。
酸化防止剤=用途、ビタミンC=物質名です。使用の目的の後の( )内に物質名が書かれます。
用途名併記が必要なもの
・保存料 ・着色料 ・甘味料 ・発色剤 ・酸化防止剤
・防カビ剤または防ばい剤 ・漂白剤 ・増粘剤 ・安定剤 ・ゲル化剤 ・糊料
3. ひとまとめに一括表示もあり
原則として、使用した添加物は、物質名もしくは簡略名で表示されています。
しかし、似た性質や効果を持つ複数の添加物が使用されている場合、それがひとまとめにされて書かれていることがあります。これを一括表示と言います。
一括表示が許されているもの
・かん水 ・香料 ・イーストフード ・ガムベース ・酵素 ・酸味料 ・調味料
・乳化剤 ・豆腐凝固剤 ・苦味料 ・PH調整剤 ・膨張剤 ・光沢剤 ・軟化剤
一括表示はその用途から恥じれた使用は認められていませんが、実際には別の目的に使われることがあります。
一括表示されていると、どんな添加物が使われているのか分からなくて不安だね。
食品添加物の安全性
日本で食品添加物の使用が許可されるために安全性の3つのポイントがあります。
- 動物実験での安全性試験
- ADI(Acceptable Daily Intake)
- 使用基準
1. 動物実験での安全性試験
食品添加物が食べても大丈夫なものなのかは、ラットなどの動物実験でテストされています。遺伝子や染色体への影響を調べる試験は最近などを使用して行われます。
しかし、人間での試験は行われていません。人間と動物が全く同じ性質を持っているわけではないので、添加物の影響が心配されるのは当然です。
2. ADI(Acceptable Daily Intake)
ADIとは人間がその添加物を毎日食べ続けても害がない分量を、体重1kgあたり量で表したものです。
その量は動物実験や細菌実験などの結果から決まられています。ADIの値が小さいほど、影響が強い添加物ということになります。
3. 使用基準
ある添加物が「どんなものにどのくらいの量を使用できる」という基準を定めたものが添加物の使用基準です。使用基準が定められていない添加物もたくさんあります。
食品添加物が安全に使用されるために、色々な基準が設けられているのはわかったけど、本当に食べても大丈夫なのか心配だわ。
そうだね。
実は食品添加物は、絶対に食べても大丈夫だという保証はないんだよ。
その理由を説明するね。
食品添加物の危険性
食品添加物の安全性は証明されていません。理由は次の5つです。
- 動物実験だけのテスト
- 食べ合わせ問題
- 調理でおこる物質変化
- 添加物の中の不純物
- 賞味期限の謎
1. 動物実験だけのテスト
先述したように、添加物の安全性は動物実験でのみテストされています。
ラットの寿命は約2年、人間の寿命は約80年です。人間が食べる添加物の安全な量は、動物実験の結果に単純に1/100を乗じて算出されています。
そこに性別や年齢は考慮されていません。また高血圧や肥満など基礎疾患がある人への影響は考えられていないのです。
2. 食べ合わせ問題
これはとあるお菓子の原材料表示です。「/」以降に書かれているのが食品添加物ですが、複数の食品添加物が使われているのがわかります。
複数の食品添加物を同時に食べた場合、どのような影響があるのかは全く調べられていません。
医薬品の場合は、他の薬との飲み合わせや食べ物との食べ合わせを心配しますよね。
添加物でも調べる必要があるのではないでしょうか。
3. 調理でおこる物質変化
食品添加物が使用された食品を煮たり、焼いたり、揚げたりした時、その食品は変化します。
変化したことで生じた物質が何なのか、その物質は健康への影響がないのか、そういったことも調べられていません。
4. 添加物の中の不純物
化学合成によって食品添加物を精製するとき、目的の物質ではない不純物が精製されます。
食品添加物の不純物の種類や量の限度は成分規格に定められていますが、基準が甘く定められています。乳化剤の不純物の規定はそもそもありません。
5. 賞味期限の謎
食品添加物には賞味期限があります。
賞味期限が翌日に迫った食品添加物を使用して製造した食品の賞味期限を6ヶ月後に設定しても、それは違法ではありません。
加工すると賞味期限が延びるかのように感じるね。
それっていいのかな?
まとめ
人生100年時代と言われる現在。私たちは生まれてから人生を終えるまで、とても長い間、食品添加物を食べ続けることになります。
安全の保証がない食品添加物は、避けられるなら避けるに越したことはありません。
美しい見た目の商品や宣伝広告にばかり目を向けるのではなく、食品添加物を正しく理解して、本当に美味しく質の高い食品を選ぶことが大切です。
私たちの身体は食べたものでできています。
安心して美味しく食べられるものを選び、いつまでも健康を目指しましょう!
参考文献
食品添加物の安全性確保|厚生労働省
知っておきたい食品の表示令和4年1月版|消費者庁
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