白い砂糖は身体に悪いと聞いたけど、本当かな?
そうだとしたら、どんな砂糖を選んだらいいんだろう。
そのお悩みにお答えします!
白砂糖は直ちに危険ということはありませんが、身体に良いとは言えません。
それでは、白砂糖がなぜ身体に良くないのか、身体に優しい砂糖とはどんな砂糖なのか説明していきます。
砂糖の種類
砂糖を選ぶ上で、まずは砂糖の種類を知らなくてはなりません。砂糖にはたくさんの種類がありますが、成分の違いにより、分蜜糖と含蜜糖に分けられます。
分蜜糖
分蜜糖とは、さとうきびやてん菜の搾り汁から砂糖の結晶と糖蜜を分けて、結晶だけを取り出した砂糖のことをいいます。スーパーでよく見かけ、比較的安価な上白糖やグラニュー糖、三温糖、氷砂糖などがあります。
白砂糖は日本人好みのソフトな風味で、どんな料理にも合います。国内の砂糖消費量の約半分を占める砂糖です。
含蜜糖
含蜜糖とは、砂糖を作る工程で糖蜜を分離せず、糖蜜を含んでいる砂糖のことです。原料から抽出した糖汁を煮詰めて作られるので、ミネラル分が除去されることなく豊富に含まれています。てん菜糖やさとうきび糖、黒砂糖などがあります。
白砂糖が危険と言われる理由
白砂糖は漂白している!?
「白砂糖は漂白剤を使って白くしているから危険!」と聞いたことがありませんか?
それは間違いです。
白砂糖は色素などの砂糖以外の不純物を取り除き、純粋な砂糖の結晶だけを取り出した精製糖です。砂糖の結晶は無色透明で、結晶が光を乱反射して白く見えます。
不純物の除去は、凝集・沈殿させてろ過したり、活性炭などに吸着させ取り除いたりして行います。漂白処理を行なっているわけではないのです。
「白砂糖は漂白している」というウワサによって白砂糖が危険と判断されている可能性があります。
砂糖依存症の可能性
白砂糖は精製され、不純物を取り除かれているので、ミネラル分はほとんど含まれていません。そのため体内に吸収されやすく、血糖値を急上昇させてしまいます。
その結果、血糖値を下げる働きのあるインスリンが一気に分泌され、血糖値が急低下します。そうなると脳は「お腹が空いている」と勘違いし、またすぐに糖分を欲してしまうのです。
このサイクルが砂糖依存症を引き起こすといわれています。
生活習慣病の原因に
先ほど述べたように、精製された砂糖を食べると血糖値が急上昇してしまいます。血糖値の急上昇は肥満を招き、糖尿病、動脈硬化、認知症、ガンなどの様々な病気のリスクを高めることがわかっています。
どんな砂糖でも、食べ過ぎは肥満のリスクがあります。白砂糖などの精製された砂糖は特に注意が必要です。
輸入原料の注意点
国内に供給される砂糖の原料の半分以上を外国からの輸入が占めています。
外国産ということで心配なことは遺伝子組み換え食品の問題です。日本国内では遺伝子組み換え作物は作られていないので、心配な方は国産原料を使った砂糖を選ぶことをすすめします。
購入の際は原料の産地も理解して買う必要があります。
茶色の砂糖が健康に良いの?
「白い砂糖より、茶色の砂糖が身体に良い気がする」と思っていませんか?
半分正解、半分不正解です。
精製されていない含蜜糖は茶色や黄色などの傾向があります。
ところが、精製糖である三温糖や中ザラ糖(ザラメ)も茶色の砂糖です。三温糖は上白糖やグラニュー糖の結晶を取り出した後の糖液をさらに煮詰めて作るため黄褐色となっています。中ザラ糖は表面にカラメル色素をかけて色づけしているため黄褐色をしているのです。
茶色の砂糖だから、必ずしも身体に良いとは言えません。
砂糖の種類まとめ
身体にやさしい砂糖の種類
さとうきび糖
さとうきびを原料にした砂糖です。さとうきびは太い茎が特徴のイネ科の植物で、日本では、鹿児島県南西諸島や沖縄で主に栽培されています。
さとうきび糖は、さとうきび本来の豊かな風味が活きたまろやかな甘さが特徴で、コクのある美味しさが味わえます。少しコクを出したい焼菓子、コクを出したい煮物料理などにおすすめです。黒砂糖よりクセがないので、普段の料理にも取り入れ易いのではないでしょうか。
黒砂糖
黒砂糖は、さとうきびの搾り汁を煮詰めてそのまま固めた製品で、固形状や粉状のものがあります。精製度が低く、ビタミンやミネラルを豊富に含んでいます。
黒糖にはそのカルシウムが、上白糖の240倍もあり、カルシウムとともに骨の代謝に必要なマグネシウムやリンもわずかですが含まれています。さらに黒糖にはブドウ糖をエネルギーに変えるのに必要不可欠なビタミンB1とナイアシンも一緒に含まれています。
黒糖の濃厚な甘さ、強い風味とコクが味に深みを与え、沖縄料理に欠かせない豚肉との相性も抜群です。
てんさい糖
てん菜という、日本では北海道でのみ作られる農作物を原料とした砂糖です。日本で生産される砂糖の80%以上がてん菜を原料としています。
てん菜糖には、天然のオリゴ糖が5%以上含まれていて、ビフィズス菌などの有用菌の栄養源となります。カリウム、カルシウム、リン等のミネラルが豊富です。
てんさい糖はまろやかな甘さで、やさしい風味とコクがあります。料理に使うと上品な味に仕上がります。
和三盆
和三盆糖とは、徳島と香川県の一部で現在も栽培されている在来品種である竹糖と呼ばれるさとうきびを原材料に、現在も機械をあまり使うことなく作られている数少ない国内産の砂糖です。
結晶が非常に小さく独特の風味を持つため、上品でまろやかな甘みがあり、口どけが良いのが特徴です。現在は主に和菓子用の砂糖として用いられています。
ココナッツシュガー
近年、日本でもココナッツシュガーを見る機会が増えてきました。
ココナッツシュガーは、ヤシ科のココヤシ(ココナッツ)の花蜜が原料の砂糖です。花蜜を収穫後すぐに煮詰めて水分を飛ばすとココナッツシロップ(ココナッツネクター)と呼ばれる甘い液糖になります。これをさらに煮詰めて結晶化させたものがココナッツシュガーです。
血糖値がどれくらい早く上昇するかを表すGI値が35と、白砂糖と比べても1/3、蜂蜜やメープルシロップと比べても1/2と低く、ゆっくりと体に吸収されます。
ナトリウム、マグネシウム、カリウムなどのミネラルや抗脂肪肝ビタミンとも呼ばれるイノシトールが豊富に含まれます。コレステロールが気になる方にもやさしい砂糖です。
ココナッツシュガーはきび砂糖のような風味とコクがあります。ココナッツ独特の甘い香りなく、クセがないので、ココナッツが苦手な方でも取り入れ易いのではないでしょうか。
身体にやさしい砂糖を選ぶ注意点
加工黒糖
加工黒糖とは黒砂糖に、粗糖(白砂糖の原料)や糖みつなどを混合した加工製品です。
未精製の黒砂糖を買うはずが、上白糖の混じった加工品を買ってしまった!などということにならないように、黒砂糖を買う際は、原材料の表示を確認して、原材料は何か、産地はどこか、余計な添加物は入っていないかに注意して購入するようにしましょう。
遺伝子組み換え食品
日本国内で栽培収穫された農作物は遺伝子組み換え食品ではありませんので、国産の砂糖に遺伝子組み換えの心配はありません。
しかし外国産には注意が必要です。
てんさい糖は国内産と書かれていない場合は外国産の原料を使用しています。また国内製造と表記されていても原料は外国産の場合があります。
そして外国産のてん菜は遺伝子組み換え食品である可能性があります。「遺伝子組み換えでない」などの表記があるか確認が必要です。
遺伝子組み換え食品が心配な方は、必ず原材料の表記を確認するといいでしょう。
まとめ
砂糖には様々な種類の砂糖があり、その砂糖に含まれる栄養素も様々です。
白砂糖は精製されているから悪いということは決してありません。白砂糖のクセのない甘みはどんな料理にも合い、料理の色も変えません。また比較的安価に手に入るのも魅力です。
砂糖を選ぶ際は、それぞれの用途やライフスタイルに合わせて砂糖の種類を決めるのが大切です。
原材料表示の確認を忘れずに、自分に合った砂糖を見つけてください!
参考文献 砂糖の種類|農林水産省 砂糖及び加糖調製品をめぐる現状と課題について|農林水産省 甘いもの好きな人必見!砂糖依存症について 沖縄県黒砂糖協同組合 てんさい糖|ホクレン 阿波和三盆糖|岡田製糖所 株式会社ココウェル
コメント